犬のてんかん

てんかんは、突然体が突っ張り、痙攣したり、意識をなくしたりという「てんかん発作」を繰り返す病気です。

症状

発作の数日~数分前によだれを流したり、落ち着きをなくしたり、活発になったり、逆に動きたがらなくなったりといった前兆が現れ、その後、てんかん発作を起こします。

発作は、四肢を硬直させ、口から泡や涎を出し、意識をなくして倒れたり、便や尿を漏らす全身性のものもあれば、体の一部だけが痙攣を起こす場合もあります。また、見えないものを追いかけるような奇妙な行動や、攻撃的な行動をする場合もあります。

治まるまでの時間は数十秒~数分程度、長ければ1時間以上かかることも。そして、発作が治まると何事もなかったように元に戻るのが特徴です。

原因

発作を起こす原因は様々ですが、脳腫瘍や水頭症、犬ジステンパーによる脳炎など、脳に何か障害があるために起こる「症候性てんかん」と、検査をしても脳に構造的な異常が認められない原因不明の「特発性てんかん」があり、こちらは遺伝的な要素が関係しているといわれています。

治療

「症候性てんかん」の場合は、その病気に対する治療を行います。「特発性てんかん」の場合には、抗てんかん薬を用います。発作が治まる前に再び痙攣発作を起こす「重責発作」を起こしている場合は、痙攣を止める緊急治療を行います。

てんかんの原因や症状の程度を明らかにするため、発作を起こした状況や病歴を詳しく獣医に伝えましょう。てんかんは、2~3ヶ月に1回だった発作が1ヶ月に1回に、その後1週間に1回というように徐々に発作の起こる間隔が短くなっていくため、早期治療が大切です。しかし、薬でうまくコントロールできるのは、全体の3分の1程度。薬でコントロールできない場合は、薬の量を少しずつ増すことが必要になります。

★発症しやすい犬種★

ビーグル、ダックスフント、シェルティ、シベリアンハスキー、 ジャーマンシェパード、アイリッシュセッター、ゴールデンレトリーバー、シーズー

マラセチア感染症

マラセチアというカビの一種によって、皮膚炎が悪化したり、外耳炎が引き起こされたりします。

症状

マラセチアによる外耳炎では、頭を振ったり、耳を掻いたりと、外耳炎と同じ症状が見られます。耳垢が大量に出たり、チョコレート色になったり、酸っぱいような臭いがします。マラセチアは乾燥した環境が苦手のため、皮膚炎の場合は、口の周り、わきの下、下腹部、陰部周辺、爪の周りに激しいかゆみ伴う炎症を起こす事が多いようです。

原因 

マラセチア真菌は、普通に何処にでもいる菌で、通常は犬の皮膚や耳の中に存在しています。犬の健康状態が良く、皮膚のバリア機能が損なわれていない状態では、マラセチアがいても害を及ぼすことはありません。

アレルギーによる炎症や、皮膚炎による皮膚の新陳代謝の乱れや、脂肪分が多い食生活などで皮脂が多くなると、皮脂を栄養源とするマラセチアにとっては、エサが増え増殖しやすくなるためさらに皮膚炎が悪化していくことになります。皮膚のターンオーバーが速くなり、皮脂分が急増する皮膚炎は「脂漏性皮膚炎」呼ばれ、マラセチア感染症を引き起こしやすいといわれています。

治療

マラセチア感染症の治療には、抗真菌剤の服用や外用薬の塗布が行われます。また、皮脂分を含んだフケや垢、過剰な皮脂分を取り除くため、薬用シャンプーで洗浄します。

予防 

日頃より皮膚や生活環境を清潔に保ちましょう。

★かかりやすい犬種★

・シー・ズー 

中国のチベット高原が原産地で、厳しい寒さや乾燥に適応するために、皮脂の分泌が多い傾向があります。高温多湿の日本では皮膚がベタつきやすく、マラセチアにかかりやすいようです。

・パグ・フレンチ・ブルドッグなど

顔や首にしわがある犬種では、しわの間にフケや垢がたまり、マラセチアが増殖しやすくなります。

ケンネルコフ

ケンネルコフは、伝染性気管支炎と呼ばれ、いくつものウイルスや細菌などが複合しておこる「犬の風邪」です。

症状

発作性の乾いた強い咳が特徴ですが、程度や発熱の有無は様々です。元気で食欲もあるなど、正常な時と大きな変化がみられない事が多いですが、進行すると元気や食欲がなくなり、鼻汁や微熱が出る事もあります。ほとんどは1週間~10日前後で回復しますが、ほかのウイルスや細菌にも感染した場合や、抵抗力や体力の少ない子犬や老犬が感染した場合には、悪化して肺炎を起こし、時には死亡する事もありますので、軽く考えるのは禁物です

原因

ケンネルコフは、犬パラインフルエンザや犬アデノウイルスII型などのウイルス、気管支敗血症菌といった細菌に感染することで起こります。病犬との接触や、くしゃみ、咳などで感染がひろがりますので、犬が集団で生活する所では、他の犬に次々とうつってしまうことが多いです。

治療

感染してしまった後のウイルスに効果のある薬はないため、咳を抑えるための治療が中心になります。プラズマと細菌には抗生物質による治療が有効なので、病原体に対し効力のある抗生物質を使います。家庭では、保温や換気に気を使い、安静にさせ、充分な栄養を与えます。また、犬の集まるところには連れて行かないようにしましょう。

予防

ケンネルコフの原因となるウイルスのいくつかに対してはワクチンが開発されているため、子犬の頃からきちんとワクチン接種を行うことが大切です。7種混合ワクチンに入っているアデノウィルス2型ワクチンおよびパラインフルエンザウィルスワクチンでかなり予防することができます。冬場はウイルスが活性化しやすいので、愛犬の体調が悪い日には外出を控えたり、咳をしている犬とは接触しないようにしましょう。

ジステンパー

ジステンパーウイルスに感染することで起こる、死亡率の高い恐ろしい病気です 。

症状

感染すると4~7日後に、40℃前後の発熱があり、食欲や元気がなくなります。その後、咳やくしゃみといった呼吸器症状や嘔吐・下痢などの消化器症状が現れることがありますがいったん熱が下がり、治ったかのように見えるため、それらの初期症状は見落とされがちです。

ところが再び発熱し、咳やどろっとした目やに、鼻汁、嘔吐や下痢などの症状があらわれます。時にはウイルスが脳にまで侵入し、体の一部が麻痺したり、全身が痙攣するような神経症状を起こすこともあります。

鼻や足の裏の肉球が角質化して硬くなる「ハードパッド」と呼ばれる特徴的な症状が見られることもあります。また、後遺症として神経症状などが残ったり、時には死に至る事もあります。ただし、ワクチンを接種している場合は、ほとんど無症状かケンネルコフのような軽い呼吸器症状ですみます。

原因

犬ジステンパーウイルスに感染することが原因で起こります。感染している犬の目やにやくしゃみなどの飛沫、尿や便を舐めることで感染します。また、ウイルスのついた食べ物から感染する事もあります。ワクチン接種を適切に済ませていない場合の発症が多く見られます。高齢や他の病気で免疫力が低下している場合などにも発症することがあります。

治療

伝染性の病気のため、隔離が必要です。犬ジステンパーウイルス自体に有効な治療薬はありませんので、治療は点滴や抗生剤、抗けいれん剤投与などによる対症療法が中心となります。体力の消耗を防ぐため、治療中は消化が良く、栄養価の高い食事を与えます。また、体温低下を防ぎ、安静にさせてあげましょう。

予防

犬のジステンパーは、死亡率の高い病気の一つですが、ワクチン接種で予防する事が可能です。適切な時期・回数のワクチンを必ず接種するようにしましょう。

 

チェリーアイ

チェリーアイは、目頭裏側の第三眼瞼腺という涙を作る役割をもつ腺組織が瞬膜の外側に飛び出し、炎症を起こして赤く腫れる病気です。炎症を起こして丸く腫れる様子が、「さくらんぼ」に似ている事から「チェリーアイ」と呼ばれるようになりました。別名「第三眼瞼腺逸脱」とも呼ばれます。

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